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ピラティスインストラクターの離職率は高い?その背景と要因を幅広く調査!

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近年、心身の健康意識の高まりとともに、ピラティスは世界的に、そして日本国内においても急速にその人気を拡大させています。しなやかで機能的な身体づくりを目指すピラティスは、性別や年齢を問わず多くの人々に受け入れられ、それに伴い「ピラティスインストラクター」という職業もまた、大きな注目を集めるようになりました。自身の健康や美を追求しながら、それを他者に伝えることができる魅力的な仕事として、キャリアチェンジの選択肢に挙げる人も少なくないかもしれません。

しかし、華やかなイメージの裏側で、ピラティスインストラクターの「離職率」について言及される声も時折聞かれます。急速に拡大する市場であるからこそ、人材の流動性が高くなるのは自然な現象とも言えますが、そこには個人の適性やスキルの問題だけでなく、業界特有の構造的な要因が潜んでいる可能性も考えられます。

この記事では、ピラティスインストラクターという職業の継続性、特にその離職率に関連する可能性のある様々な側面について、断定的な評価を下すのではなく、多角的な視点からその背景や要因を幅広く調査し、考察のきっかけを提供します。これからインストラクターを目指す方、あるいは現役で活躍されている方が、ご自身のキャリアを見つめ直すための一助となるかもしれません。

ピラティスインストラクターの離職率が注目される背景

なぜ、ピラティスインストラクターの離職率というトピックが、これほどまでに注目を集めるのでしょうか。その背景には、この業界が現在進行形で経験している、いくつかの特徴的な状況が影響している可能性がうかがえます。

近年のピラティス市場の急成長と需要

最も大きな背景として挙げられるのは、疑いようもなくピラティス市場そのものの急激な成長です。特にパンデミックを経て、人々は自身の健康やウェルネスに対して、より深い関心と具体的な行動を求めるようになりました。ピラティスは、リハビリテーションを起源に持つことからも、単なるエクササイズに留まらない「身体の調整」や「機能改善」といった側面が強く、現代人のニーズと深く共鳴したと言えるでしょう。

この爆発的な需要の増加は、当然ながらピラティススタジオの急増という形で現れます。都市部を中心に、マシンピラティス専門スタジオや、従来のヨガスタジオがピラティスを導入するケースが後を絶ちません。そして、スタジオが増えれば、そこで指導するインストラクターの需要もまた、比例して、あるいはそれ以上に急増することになります。

この「売り手市場」とも言える状況は、インストラクターにとっては活躍の場が広がるという好機である一方、業界全体の人材の流動性を高める要因となるかもしれません。より良い条件、より自分に合った環境を求めて、スタジオ間を移動するインストラクターが増えることは、結果として個々のスタジオにおける「離職率」の数値を押し上げる可能性を示唆しています。

インストラクターという職業の特性

ピラティスインストラクターは、単にエクササイズの「型」を教えるだけではなく、クライアント一人ひとりの身体の状態や目標に寄り添い、その日のコンディションを見極めながら最適な指導を行うことが求められる、高度な専門職です。解剖学や運動学の知識に基づいた的確なアプローチと、それを分かりやすく伝えるコミュニケーション能力、そして何よりもクライアントを導く情熱が必要とされます。

この「情熱」や「やりがい」が大きな原動力となる職業である一方で、それは時に精神的な消耗を伴う可能性も秘めています。また、常にクライアントの模範となるべく自身の身体を整え、最新の知識を学び続ける自己研鑽も欠かせません。

さらに、インストラクターは「身体資本」の仕事でもあります。自身の体調が優れなければ、質の高い指導は行えません。特に人気のインストラクターになればなるほど、レッスン数が過密になり、自身のケアが疎かになるリスクも高まるかもしれません。このような肉体的、精神的な負担が、長期的なキャリア継続の障壁となることも考えられるのです。

資格取得の容易さと参入障壁

ピラティスインストラクターになるためには、特定の国家資格が必要というわけではありません。現在、国内外に多数のピラティス指導者養成団体が存在し、それぞれが独自のカリキュラムで資格認定を行っています。中には、比較的短期間かつオンラインでの学習を主軸に資格が取得できると謳うコースも見受けられます。

この「参入のしやすさ」は、多くの人がピラティス指導の道に挑戦できるというポジティブな側面を持つ一方で、業界の質の担保という点では課題を提示する可能性もあります。十分な知識や指導スキル、そしてインストラクターとしての心構えを身につける前に現場に出てしまうことで、理想と現実のギャップに直面するケースも想定されます。

憧れだけでこの世界に飛び込んだものの、実際にクライアントを前にした際の責任の重さや、継続的な学習の必要性、あるいは想像していたものと異なる業務内容に直面し、早期にキャリアを断念してしまうきっかけになることもあり得るでしょう。

働き方の多様性と不安定さ

ピラティスインストラクターの働き方は、非常に多様です。特定のスタジオに所属する「正社員」や「契約社員」として安定した基盤の上で働く人もいれば、複数のスタジオと「業務委託」契約を結んだり、「フリーランス」として個人で活動したりする人も多く存在します。

特にフリーランスという働き方は、自身のライフスタイルに合わせてレッスンスケジュールを組める自由度や、人気と実力次第で高収入を目指せる可能性があるという魅力があります。しかし、その裏側には、常に「不安定さ」が伴うことも事実です。

フリーランスの場合、レッスンのコマ数がそのまま収入に直結します。自身の体調不良や、スタジオの都合、あるいは季節的な需要の変動によって、収入が大きく左右されるリスクを常に抱えることになります。また、社会保険や福利厚生なども自身で管理する必要があり、正社員と比較して手厚い保障が得られないケースが一般的です。このような経済的な不安定さや、将来への漠然とした不安が、長期的なキャリア継続をためらわせる要因となる可能性は否定できません。

ピラティスインストラクターの離職率に影響を与えうる要因

業界特有の背景に加えて、より具体的にインストラクター個人のキャリア継続に影響を与えうる、いくつかの要因について考察を深めてみましょう。これらの要因が複雑に絡み合い、結果として「離職」という選択につながるのかもしれません。

労働環境と待遇面の課題

ピラティスインストラクターという仕事に高い専門性と情熱が求められる一方で、その対価としての労働環境や待遇面が、必ずしも見合っていないケースが存在する可能性も指摘されています。

例えば、スタジオによっては、1レッスンあたりのフィー(報酬)が低く設定されている場合があります。特に駆け出しのインストラクターの場合、経験を積むという名目のもと、低い単価で多くのレッスンを担当せざるを得ない状況も考えられます。また、正社員であっても、基本給が抑えられていたり、みなし残業が多く発生したりする環境もあるかもしれません。

さらに、レッスンの指導以外にも、クライアントの受付対応、スタジオの清掃、SNSの更新、集客のための営業活動(体験レッスンの勧誘など)といった、多岐にわたる「付帯業務」の負担が重くのしかかることもあります。本来の「指導」に集中したいという想いと、スタジオ運営のために求められる業務との間で葛藤が生まれ、それがモチベーションの低下、ひいては離職の引き金となる可能性も考えられます。

キャリアパスの不透明さ

ピラティスインストラクターとしてキャリアをスタートさせた後、多くの人が直面する可能性のある課題の一つが、「キャリアパスの不透明さ」です。

一人のインストラクターとして、指導スキルを磨き、人気のクラスを担当し続けることは、もちろん素晴らしいキャリアの一つです。しかし、年齢とともに体力的な負担を感じるようになった時、あるいは指導以外の分野で自分の能力を試したいと考えた時、どのような道筋が用意されているのでしょうか。

スタジオのマネージャーやエリアマネージャーといった運営・管理職への道、後進のインストラクターを育成する「マスタートレーナー」への道、あるいは独立開業して自身のスタジオを持つという選択肢も考えられます。しかし、全てのスタジオがそのような明確なキャリアアップの道筋を提示できているわけではないかもしれません。

特にフリーランスとして活動している場合、自身のキャリアをどのように築いていくかは、完全に個人の才覚と努力に委ねられます。将来のビジョンが描きにくい、あるいは「このまま現場に立ち続けること」以外に選択肢が見えないという状況が、長期的なキャリア継続への不安を生み出し、異なる業界への転職を考えるきっかけとなる可能性もあります。

精神的・肉体的な負担

前述の「職業の特性」とも重複しますが、インストラクターが日々直面する精神的・肉体的な負担は、離職率を語る上で避けて通れない要因です。

肉体的な負担としては、自身のデモンストレーション、クライアントへのアジャストメント(身体の補助)、そして何より連続するレッスンによる声帯への負担や疲労の蓄積が挙げられます。自身のメンテナンスを怠れば、怪我につながるリスクも高まります。

精神的な負担もまた、深刻な問題となり得ます。ピラティスはクライアントの身体という非常にデリケートなものに触れる仕事です。クライアントの期待に応えなければならないというプレッシャー、時には理不尽な要求やクレームに対応するストレス、そしてスタジオ側から課される集客ノルマのプレッシャーなど、目に見えない負担が積み重なることもあります。

このような心身の負担が許容量を超えた時、どれほどピラティスへの情熱があったとしても、「好き」だけでは続けられないという現実に直面し、業界を去るという決断に至ることも十分に考えられるのです。

ピラティスインストラクターの離職率に関する動向まとめ

今回はピラティスインストラクターの離職率についてお伝えしました。以下に、今回の内容を要約します。

・ピラティス市場は近年、健康意識の高まりとともに急成長

・市場拡大に伴いピラティスインストラクターの需要も急増

・需要の高さが、より良い条件を求める人材の流動性を促す可能性

・インストラクターは解剖学などの知識が求められる専門職

・クライアントの身体に触れるため、高い責任感と情熱が必要

・自身の身体のメンテナンスが不可欠な「身体資本」の仕事

・国家資格ではなく民間資格が多数存在し、参入障壁は多様

・短期間での資格取得が、現場での理想と現実のギャップを生む可能性

・働き方は正社員、業務委託、フリーランスなど多岐にわたる

・フリーランスは自由度が高い反面、収入が不安定になりがち

・労働環境やレッスンフィーなどの待遇面が継続に影響する可能性

・レッスン指導以外の付帯業務(清掃、集客、事務)が負担となるケース

・インストラクターとしての将来的なキャリアパスが不透明な場合も

・体力的な問題や将来設計への不安が離職のきっかけとなり得る

・指導のプレッシャーや人間関係など精神的な負担も考慮すべき点

ピラティスインストラクターの離職率については、このように市場の成長、職業の特性、働き方の多様性、そして個々の労働環境など、非常に多くの要因が複雑に絡み合っている可能性がうかがえます。

もし、あなたがこの魅力的なキャリアに足を踏み入れようとしている、あるいは現在進行形で歩んでいるのであれば、業界の華やかな側面だけでなく、その背景にある構造的な課題や可能性にも目を向けることが、長期的に活躍し続けるための重要なヒントになるかもしれません。

本記事で提示された様々な視点が、ご自身のキャリアを深く見つめ直し、より良い選択をするための一つの「きっかけ」となれば、これほどうれしいことはありません。

ABOUT ME
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リメディアルマッサージセラピスト/マットピラティスインストラクター
「休むことも、からだのメンテナンスの一部」をモットーに活動中。 施術やピラティスの学びを通して、心と体が整うヒントや豆知識を発信しています。 資格の勉強であちこち遠征するのも楽しみのひとつ。旅先での小さな発見も大好きです。
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