ベッドの上のストレッチは意味ない?効果とおすすめストレッチ
1日の始まりや終わりに、ベッドの上でストレッチをされてる方も多いかなと思います。朝目覚めた時や入眠前にベッドの上でそのままできることの手軽さで、私自身もベッドの上でよくストレッチします。ベッドの上のストレッチ方法のコラム記事や動画が多く見られる中で、ベッドの上だと意味がないのではというお声も聞きます。
理由としては、マットレスが柔らかく沈んでしまい体を上手く支えられない、かえって腰を痛めてしまうと懸念されるからです。
確かに、床にヨガマットを敷いて行う方が安定しやすいです。ただ、ストレッチの種類によってはベッドの上でもリスクが少ないもの、ベッド上が適した方、ベッドの上で行うことでリラックス効果が働き入眠しやすい等メリットもあります。
では実際、ベッドの上でのストレッチが本当に意味がないのか、それぞれのメリット・デメリットを挙げていきます。
目次
ベッド上のストレッチは意味ない?効果が薄いと言われる理由
マットレスの柔らかさ
前述でも挙げたように、マットレスの柔らかさは体の安定性を保つ妨げになります。特に四つ這いや立位、側臥位など体を支える範囲が少ない場合はバランスを崩しやすいため、ヨガマットで行うことを推奨しています。試しに片足立ちを床の上、ベッドの上でそれぞれしてみてください。床の上より、ベッド上のほうがふらつきやすいと思います。またふらつくことで別のところに力が入り、最悪体を痛めてしまうリスクもあります。
ただしこれらの姿勢で行うストレッチやエクササイズは、主に体幹トレーニングを目的としたものが多いため、ストレッチの目的に合わせて適切な場所を選ぶ必要があります。
副交感神経が優位に
ベッドは基本的にリラックスする場所なので、運動しよう!という気持ちになりにくい心理的な面もあります。活動的な交感神経より、体を休める副交感神経が優位に働き、そのままダラダラしてしまうという人も少なくありません。こういった理由から、ベッドの上のストレッチは意味ないと言われます。
ベッド上のストレッチは意味ない?ベッドの上で行うメリット
手軽にできる
朝目が覚めてすぐ、夜寝る前にベッド上ですぐできるため準備と手間が省かれます。
ヨガマットを準備する必要がないので、面倒くさがりさんや時間がない方にとっては手軽にしやすく続けやすい傾向です。
腰痛の方、高齢の方でも無理なく行える
腰痛持ちの人にとっては、硬い床よりも適度に沈み込むマットレスの方が腰への負担が少なく、安心してストレッチできることがあります。お年寄りや関節に不安がある方にとっても、床に直接座るよりもベッドの高さと柔らかさの方が楽で安全です。
睡眠の質が上がる
寝たまま行うことで、余計な力が入りにくく全身の筋肉がリラックスした状態になります。体がリラックスすると呼吸も行いやすく、血流も増え全身の巡りにも効果的です。寝る前にストレッチを行うことで、副交感神経が優位になり、自然な眠気を誘ってくれます。
ベッド上のストレッチは意味ない?基本のやり方・注意点
20~30秒をキープ
筋肉が伸び始めるのは20秒以上と言われております。これを2〜3セットを繰り返し行うことでより効果が上がりやすいです。一度に20秒も伸ばせないという方は、10秒を4〜6セット繰り返すこともお勧めです。
呼吸しながら行う
ストレッチ中息を止めてしまう方をよく見かけますが、呼吸しながら行うほうがより効果が上がりやすいです。ゆったりとした深い呼吸を行うことで、副交感神経が優位になり、筋肉が緩みやすく、全身の巡りを向上させやすくなります。鼻から息を吸い、口から「ハ~」と吐くときが、より筋肉が伸びやすいです。
動作はゆっくり、無理のない範囲で行う
「痛いと感じるくらい伸ばした方がいいのでは?」と思う方もおりますが、痛みや辛さを我慢して行うとかえって逆効果になってしまいます。また反動をつけずに、ゆっくり伸ばすことでご自身の許容範囲がわかりやすく、痛み防止にもつながります。心地よいと感じる範囲で行う方が筋肉が緩みやすく、また継続もしやすいです。
ベッド上のストレッチは意味ない?おすすめストレッチ
仰向けポジション
**1. 全身を伸ばすストレッチ**
– 手を頭上に伸ばし、つま先まで体を一直線にするイメージで全身を伸ばす
※ 息を吸いながら5秒間キープ、息を吐きながらリラックス
**2. むくみ改善ストレッチ**
– 手足を天井方向に上げ、軽く振る(強くバタバタさせすぎないよう注意)
※ 足首を回す動作も併用すると血流改善により効果的
**3. セルフマッサージ**
– 両かかとで太もも裏を軽くトントン
– 両手で太もも前側・外側を軽くトントン
※ 強く叩きすぎず、心地よい程度の刺激で
**4. 腰部ストレッチ**
– 両膝を胸に抱え込み、左右にゆっくり揺れる
※ 片膝ずつ抱えるのも効果的
**5. 臀部ストレッチ(フィギュア4)**
– 足を4の字にして、太ももを胸に近づける
※ 30秒キープし、両側行う
**6. 首のストレッチ**
– 首を左右にゆっくり傾ける
※ 急激な動きは避け、痛みを感じない範囲で
座位ポジション(あぐら・長座)
**1. 肩甲骨・肩回し**
– 肩を大きく前後に回す
– 肩甲骨を寄せる動作(5秒キープ)も併用
**2. 首の側屈ストレッチ**
– 首を左右に傾け、反対側の手で肩を軽く押さえる
※ 15-20秒キープで筋肉をしっかり伸ばす
**3. 体側ストレッチ**
– 両手を頭上で組み、左右に上体を傾ける
※ 座骨を床につけたまま、お尻が浮かないよう注意
**4. チャイルドポーズ**
– 正座から前屈し、額を床(ベッド)につける
※ 腰を左右に小さく揺らすとより効果的
うつ伏せポジション
**1. コブラポーズ**
‐ うつ伏せから上体を軽く反らし背中をストレッチ
※ 腰が反りやすいため、反らない範囲で
**2. 太もも前ストレッチ**
– うつ伏せで片足のかかとをお尻に近づける
ベッドの上でのストレッチは意味ない?のまとめ
今回はベッドの上でのストレッチは意味ないのかについてお伝えしました。以下に、今回の内容を要約します。
・ベッド上のストレッチが意味ないと言われる理由は、マットレスの不安定性による効果の減少
・柔らかいマットレスでは、ストレッチの種類によっては正しいフォームの維持が難しい場合がある
・ストレッチの目的に合わせて、適した場所を選ぶことが大切
・リラックス効果を目的とした場合、ベッド上で行うと副交感神経が優位に働く。また睡眠の質の向上にも繋がる
・ベッド上のストレッチは、手軽にでき時間に制約のある人にも継続しやすい
・腰痛持ちや高齢者にとってはマットレスの柔らかさが有利に働くことも多い
・安全に行うためには急激な動作や過度なストレッチは避けるべき
・特定の疾患がある場合は事前の医師相談が必要
結論として、ベッドの上でのストレッチは決して意味のないものではありません。むしろ適切な方法で安全に行えば、十分に健康効果を期待できる立派な運動です。大切なのは、自分の体調や目的に合わせて、無理のない範囲で継続することです。
